夕方の太陽光発電所

発電診断

太陽光の​発電量が​落ちた​とき、​最初に​確認する​7項目

発電量が​少ないと​感じた​とき、​故障と​決めつける​前に​確認したい​7つの​ポイントを、​電気の​専門知識が​ない​方にも​分かるように​整理しました。

読了目安 6分
タブレットで発電状況を確認する技術者

「発電量が​昨日より​少ない」​「思ったより​発電していない」と​感じた​とき、​すぐに​ 「パネルが​故障したのでは」と​考えてしまいがちです。​ですが、​太陽光の​発電量は​ 天候・季節・気温などに​よっても​日々​変動する​ため、​それだけでは​故障とは​判断できません。

大切なのは、「何と​比較して​少ないのか」を​整理する​ことです。​この​記事では、​ 発電量が​低下したと​感じた​ときに​最初に​確認したい​項目を、​順番に​沿って​7つに​整理しました。​ 電気の​専門知識が​ない​方でも​読めるように​書いていますが、​施工会社・メンテナンス会社の​方が​ 現場に​向かう前の​状況整理と​しても​お使いいただけます。

な​お、​この​記事は​目視や​画面確認など、​安全に​確認できる​範囲の​内容に​と​どめています。​ 分​電盤や​パワーコンディショナ内部の​点検・電気設備に​触れる​作業は、​必ず​有資格者・専門業者に​ 依頼してください。

1. まず​天候と​比較する

発電量は、​晴天・曇天・​雨天に​よって​大きく​変わります。​次のような​点を​確認してみてください。

  • 今日は​晴天か、​曇天か、​雨天か
  • 前日と​比べて​天候に​差は​なかったか
  • 同じくらいの​時期​(先月・​去年の​同じ​月など)と​天候条件は​近いか
  • 可能であれば、​日射量の​情報​(気象データや​遠隔監視の​日射量表示など)

「前日より​少ない」と​いうだけで​判断せず、​まずは​天候条件を​そろえて​比較する​ことが​大切です。​ また、​「去年の​同じ​月より​20%少ない」と​いった​場合も、​その​期間の​天候条件​(日照時間や​ 曇りの​日の​多さなど)が​異なっている​可能性が​ある​ため、​天候差を​考慮したうえで​判断してください。

2. 発電所全体が​低いのか、​一部だけ低いのか

複数の​パワーコンディショナ​(PCS)が​ある​発電所では、発電所全体が​低いのか、​ 特定の​PCSだけが​低いのかを​区別する​ことが、​その後の​確認の​方向性を​大きく​左右します。

たとえば、​次のような​ケースを​考えてみます。

PCS発電量
PCS145kW
PCS246kW
PCS322kW
PCS445kW

この​場合、​PCS3だけが​他と​比べて​明らかに​低いため、発電所全体の​問題と​いうより、​ PCS3側に​絞って​確認できる​可能性が​ある、と​いう​考え方が​できます。

ただし、​ここで​注意したいのは、​PCSごとに​次のような​条件が​異なる​場合、​もともとの​発電量に​ 差が​ある​こと自体は​珍しくないと​いう​点です。

  • PCSごとの​接続容量
  • 接続されている​パネルの​枚数
  • パネルの​設置方位
  • 影の​影響
  • 設備の​仕様・機種

その​ため、​「数字に​差が​ある​=その​PCSが​故障している」と​すぐに​断定せず、​まずは​ 「もともとの​条件が​同じくらいの​PCS同士を​比較しているか」を​確認してください。

3. PCSや​遠隔監視に​エラー・​停止表示が​ないか

次に、​安全に​確認できる​範囲で、​PCSや​遠隔監視の​画面を​確認します。

  • 遠隔監視サービスの​画面に、​異常・停止等の​表示が​出ていないか
  • PCS本体の、​通常操作で​見える​範囲の​表示​(運転中・停止中などの​ランプや​メッセージ)
  • メーカーが​公開している​エラーコード一覧に​該当する​表示が​出ていないか
  • 停止履歴が​残っていないか

もしエラーコードが​表示されている​場合、ご自身で​PCSを​分解したり、​無理に​電源の​ 入り切りを​繰り返したりしないでください。 エラーコードの​意味は、​まず​メーカーの​ 取扱説明書や​公開資料で​確認し、​それでも​分からない​場合は​施工会社・メンテナンス会社に​ 問い合わせると​いう​流れが​安全です。

4. 発電停止なのか、​発電量低下なのか

状況を​整理する​うえで、​次の​どの​パターンに​近いかを​区別しておくと、​その後の​確認が​ スムーズに​なります。

  • A:完全に​0に​なっている(発電所全体が​発電していない)
  • B:発電は​しているが、​以前より​少ない
  • C:​特定の​PCSだけ0に​なっている
  • D:時間帯に​よって​止まる

たとえば​「常に​A」であれば​発電所全体・共通設備側の​確認が​必要に​なりやすく、​「Cのように​ 特定PCSだけ0」であれば​2章のように​その​PCS側に​絞って​確認できる​可能性が​高くなります。​ 「Dのように​時間帯で​止まる」​場合は、​後述する​出力制御などの​可能性も​含めて​確認する​ ことになります。​どの​パターンに​近いかを​メモしておくと、​後で​専門業者に​相談する​際にも​ 役立ちます。

5. 目視できる​範囲で​影・雑草・​汚れ・積雪等を​確認

安全な​場所​(地上や​敷地内の​通路など)から、​目視できる​範囲で​確認できる​こともあります。

  • 雑草が​パネルに​影を​作っていないか
  • 新しく​建物や​樹木の​影が​できていないか​(成長した​木、​近隣の​新築等)
  • 大量の​汚れ、​鳥の​ふん等が​ないか
  • 積雪が​残っていないか
  • 明らかな​パネルの​破損​(割れ、​変色等)が​ないか

屋根に​上る、​パネルを​取り外す、​電気設備に​触れると​いった​行為は​行わないでください。 あくまで、​安全な​場所から​見て​分かる​範囲の​確認に​とどめます。​また、​多少の​汚れが​ あるからと​いって、​それだけを​発電量低下の​原因と​決めつけないように​してください。​ 汚れの​影響は​多くの​場合、​限定的です。

6. 出力制御・​系統側の​影響が​ないか

発電設備​その​ものが​故障していなくても、​次のような​理由で、​一時的に​発電量が​ 抑えられる​ことがあります。

  • 出力制御​(電力会社の​求めに​応じて​発電を​抑制する​仕組み)
  • 系統​(電力会社の​送配電網)​側の​状況
  • PCS自体の​制御動作
  • 電圧上昇時に​PCSが​出力を​抑える​動作

こうした​制度や​技術の​詳細は​複雑な​ため、​この​記事では​深く​扱いません。​ご自身で​ 判断が​つかない​場合は、​遠隔監視の​履歴、​PCSの​動作履歴を​確認したうえで、​ 電力会社・施工会社・メンテナンス会社に​確認すると​よいでしょう。

無料で発電異常チェックをする

ここまでの​1〜6項目を、​実際に​自分の​状況に​当てはめながら​整理したい​場合は、​上記の​ 無料ツール​「発電異常チェック」も​あわせて​ご利用ください。​いく​つかの​質問に​答える​形で、​ 確認の​優先順位を​整理できます。

7. ここまでで​分からなければ​専門点検へ

1〜6項目を​確認しても​原因が​はっきりしない​場合、​大切なのは​ 「故障箇所を​ご自身で​触って​探す」のではなく、​ここまでの​情報を​整理して​専門会社に​ 伝える​ことです。​情報が​整理されている​ほど、​調査が​スムーズに​進みます。

相談する​際に​伝えると​よい情報の​例です。

  • 発電所の​容量
  • PCSの​メーカー・型式
  • PCSの​台数
  • いつから​発電量が​低下したか
  • 発電所全体か、​一部​(​特定PCS)か
  • PCSごとの​発電量​(​分かる​範囲で)
  • 表示されている​エラーコード(あれば)
  • 前年同時期との​比較
  • 遠隔監視の​有無

これらを​あらかじめメモしておくと、​専門会社に​相談した​ときに​状況を​伝えやすくなり、​ 調査も​スムーズに​なります。

まとめ

発電量の​低下に​気づいた​ときは、​いきなり​「故障」と​判断するのではなく、

  1. 天候と​比較する
  2. 発電所全体か​一部かを​確認する
  3. PCS・遠隔監視の​エラー表示を​確認する
  4. 発電停止か​発電量低下かを​区別する
  5. 目視できる​範囲で​外的要因を​確認する
  6. 出力制御・​系統側の​影響が​ないか​確認する

と​いう​順番で​状況を​整理し、​それでも​分からない​場合に​専門会社へ​相談する、と​いう​流れを​ おすすめします。

「チェックしても​原因が​分からない」​「PCSごとの​差が​大きい」​「エラーが​出ている」と​いった​ 場合は、​無理に​自己判断せず、​お困りごと​相談窓口も​ご利用ください。

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